
こんにちは。
みちのくDr.です!
本日は、睡眠の役割について紹介します。
睡眠を一度もとったことがない人はいないでしょうが、
「睡眠とは?なぜ人は眠りにつくの?」
「睡眠の意味や役割とは?」
と、なぜ人は眠りにつくのか一度は疑問に思った経験がある人は多いのではないでしょうか?
そこで、本記事では、
- 睡眠について|睡眠とは?
- 睡眠の意味とは?睡眠の9つの役割
この2つをもとに、睡眠の意味や役割についてわかりやすく紹介します。
人はなぜ1日の1/4〜1/3もの時間を睡眠に費やすのか、ぜひ本記事を通して確認してください。
睡眠の役割について知ると、質の良い眠りや適切な時間の睡眠をとるのに役立つで、毎日の睡眠をより良くするための参考にしてみてください。

なぜ睡眠をとるのか考えたことがありますか?
- 疲れをとるため
- 明日も生きるため
- 気持ち良くなるため
など、人によって理由はいろいろあります。
本記事では、人が睡眠をとる一般的な理由について紹介します。
なぜ人は眠りにつくのか、以降で一緒に確認していきましょう!
目次

はじめに、睡眠とは何か紹介します。
睡眠の定義にははっきりしたものがありませんが、一般的には、睡眠とは「眠ること」で周期的に意識を失う生理的な状態のことです(1)。
難しいので簡単に説明すると、睡眠とは毎日寝たり起きたり繰り返すうちの「眠っている状態」のことです。
より具体的には、厚生労働省では睡眠のことを「ノンレム睡眠とレム睡眠が繰り返されること」と説明しています(2)。

睡眠とは何か説明するのは難しいですが、「体の動きが止まり、外的刺激に対する反応が低下して意識もないが、簡単に目覚める状態」のことです。
刺激を与えても簡単には起きない「昏睡」や「意識障害」などとは全く違います。
では、なぜ人はこの「睡眠」をとるのか、以降で睡眠の役割について確認していきましょう。

次に、睡眠の役割や意味について紹介します。
実は、睡眠の役割についてまだ完全にはわかっていません。
しかし、これまでにわかっている睡眠の役割として、NIH(米国国立衛生研究所)では主に次の睡眠の意味について公表しています。
- エネルギー温存
- 食欲低下と体重管理
- 適切な血糖値管理
- 生活習慣病などの病気の予防
- 体の臓器や細胞の修復
- 免疫力アップ
- 脳の機能の維持
- 心の健康の維持
- 感情の整理
参考:Brinkman JE, Reddy V, Sharma S. Physiology of Sleep. [Updated 2021 Sep 24].
「え?睡眠にはそんな役割もあるの?」と驚く人もいれば、全部知っている人もいるでしょう。
以降では、睡眠の役割や意味についてそれぞれ説明します。
睡眠の役割①エネルギーを温存(カロリーの消費を抑える)
睡眠の役割の一つは、エネルギーを温存してカロリーの消費量を少なくすることです。
人は、睡眠をとることで代謝の低い状態で生きることができ、起きている時と比べて35%ものエネルギーを節約しています(4)。
電気がなかったずっと昔、人は食べ物を探すために夜行動することが非効率で不便でした。
夜の行動の非効率さや低い生産性に対応するために、遺伝的に、夜のエネルギー消費量を少なくするために睡眠をとるようになったと言われています。

エネルギーを温存するために睡眠をとると説明する理論は有名で、「エネルギー保存理論」と呼ばれています。
遺伝的には、多くの人は夜寝て日中に起きるほうが体に合うように設計されています。
現代は夜型の人もいて、あくまで一般的な理論です。必ず夜に寝ないといけないというものではないのでご安心ください。
睡眠の役割②食欲を低下させて適切な体重管理
睡眠の役割の2つ目は、食欲を低下させて適切な体重管理をするためです。
人は、夜寝ることで食欲を増させるグレリンという空腹ホルモンを減少させています。
睡眠不足になると、空腹ホルモンのグレリンが増えてたくさん食べるようになって体重が増加します(5)。
連続5日以上の睡眠不足が続くと、グレリンの空腹ホルモンの影響で、
- 肥満
- 2型糖尿病
- メタボリックシンドローム(メタボ)
のリスクが高くなることがわかっています(5)。
睡眠の役割③インスリン抵抗性から体を守って適切な血糖管理
睡眠の役割の3つ目は、血糖値を適切に管理することです。
睡眠は血糖値を下げるホルモンのインスリンの効き目(インスリン抵抗性)を改善することがわかっています。
眠っている間は体が必要とするエネルギー量が少ないため、少ないインスリンで体が十分に血糖値を管理できてインスリン抵抗性が改善します。
インスリン抵抗性を改善させられると、先ほどと同じように、
- 肥満
- 2型糖尿病
- メタボリックシンドローム(メタボ)
などの病気のリスクを下げることができます。
睡眠の役割④心臓病などの生活習慣病の予防
睡眠の役割の4つ目は、心臓病などの生活習慣病から体を守ることです。
はっきりとした理由は完全にはわかっていませんが、大人が7時間未満の睡眠しかとらないで睡眠不足になってしまう場合、
- 高血圧
- 脳卒中
- 心筋梗塞
などのリスクが高くなることがわかっています。
睡眠不足が原因で生活習慣病にならないように、1日7時間以上を目安に睡眠をとることが一般的におすすめです。
睡眠の役割⑤体の臓器や細胞の修復
睡眠の役割の5つ目は、体の臓器や細胞の修復を行うことです。
睡眠中に体を修復することを「修復説」といい、
- 筋肉の修復
- ホルモンの分泌
- タンパク質の合成
- 組織や臓器の修復・成長
などが、夜寝ている間に行われています。
運動・ケガ・病気をした時、睡眠は体がダメージから回復するために重要な役割を担います。
睡眠の役割⑥感染症から体を守る免疫力アップ
睡眠の役割の6つ目は、ウイルスや細菌から体を守る免疫力を高めることです。
寝ている間、体は感染症や炎症と闘うタンパク質などを作って免疫力を高めています。
睡眠不足になると免疫力が低くなって感染症にかかりやすい体になることがわかっています(6)。
ばい菌やウイルスから守るためにも、睡眠は大きな役割を果たします!
睡眠の役割⑦脳の機能の維持
睡眠の役割の7つ目は、脳の機能を保つことです。
眠っている間、人の体は脳にたまった老廃物や有害な物質を掃除して、目が覚めた時に脳がうまく働くように調整しています(7)。
また、大切な記憶に関しては、寝ている間に短期記憶(短い期間しか覚えられない記憶)を長期記憶(長い期間覚えていられる記憶)に変換していることもわかっています(7)。
それ以外にも、睡眠は脳の機能を維持して、
- 学習
- 記憶
- 問題解決能力
- 創造力
- 意思決定力
- 集中力
を高めることがわかっています!
脳のパフォーマンスを上げて1日の生産性を上げるためにも睡眠は不可欠の役割を果たしています!
睡眠の役割⑧心の健康の維持
睡眠の役割の8つ目は、心の健康を保つことです。
ストレスを感じた時に反応する脳の領域には主に次のような部位があります。
- 扁桃体
- 線状体
- 海馬
- 島
- 内側前頭前野
特に、扁桃体は睡眠不足だとストレスを感じた時に過剰に反応してメンタルヘルスのトラブルを抱えやすいことがわかっています(8)。
十分な睡眠をとることは、体だけでなく心の健康を保つために重要です。
睡眠の役割⑨感情の整理
睡眠の役割の9つ目は、感情の整理をすることです。
感情について完全には解明されていませんが、睡眠不足が続くとメンタルヘルスと同様に感情にも支障が出るとされています(8)。
例えば、睡眠不足が続いて怒りっぽくなってイライラしやすいことは多くの人が経験したことがあるのではないでしょうか。
実は、たった一晩睡眠不足になるだけでもネガティブな感情に対する反応は60%も増加することがわかっています(9)。
睡眠不足だと感情の制御もうまくできなくなってしまうため、感情の整理をするためにも睡眠は大切な役割をします。

睡眠の役割について代表的な9つの役割を紹介したように、睡眠は、
- 心
- 体
- 感情
などに絶大な影響を与えます!
良質で十分な睡眠をとることは生きる上で不可欠なので、睡眠不足が続いている人は睡眠環境について見直すきっかけにしてみてください!

本記事では、
- 睡眠について|睡眠とは?
- 睡眠の意味とは?睡眠の9つの役割
この2つをもとに、睡眠の意味や役割について紹介しました。
睡眠とは毎日寝たり起きたり繰り返すうちの「眠っている状態」のことです。
これまでにわかっている睡眠の役割として、NIH(米国国立衛生研究所)では主に次の睡眠の意味について公表しています。
- エネルギー温存
- 食欲低下と体重管理
- 適切な血糖値管理
- 生活習慣病などの病気の予防
- 体の臓器や細胞の修復
- 免疫力アップ
- 脳の機能の維持
- 心の健康の維持
- 感情の整理
参考:Brinkman JE, Reddy V, Sharma S. Physiology of Sleep. [Updated 2021 Sep 24].
睡眠は生きる上で、
- 心
- 体
- 感情
を保つために欠かすことのできない役割を果たします!
睡眠不足を実感している人やより良い睡眠を整えたい人は、睡眠について知って睡眠環境を整えるようにしてみてください!

それでは今日も、良い筋トレライフを!
出典
(2)e-ヘルスネット「睡眠」
(7)Poe GR. Sleep Is for Forgetting. J Neurosci. 2017 Jan 18;37(3):464-473.