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糖尿病とお酒|ビール等のアルコールを飲酒すると血糖値はどうなる?

糖尿病とお酒|ビール等のアルコールを飲酒すると血糖値はどうなる?

みちのくDr.
みちのくDr.

こんにちは。

みちのくDr.です!

本日は、糖尿病とお酒の関係について紹介します。

糖尿病や血糖値が気になっている人は、

「お酒を飲むと血糖値はどうなるの?」

「ビールやハイボールなどのアルコールは糖尿病のリスク?」

と疑問に思う人は多いでしょう。

そこで、本記事では、

  • 1日1合(アルコール20g)なら糖尿病のリスクは下がる
  • 赤ワインはビール・ハイボール・ウイスキーなどより健康的な可能性が
  • アルコールの5つの注意点

この3つをもとにお酒が血糖値にどのように影響し、糖尿病のリスクになってしまうのか分かりやすく紹介します。

血糖値や糖尿病が心配な人はもちろん、普段アルコールをよく飲む人もぜひ本記事を確認し今後のアルコールとの付き合い方の参考にしてみてください。

みちのくDr.
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普段お酒をどのくらい飲んでいますか?

 

お酒の飲み過ぎは良くないと言われたり、反対に「百薬の長」と言われたりよくわからないですよね。

 

そこで、お酒はどのくらいだと健康なのか本記事で一緒に確認していきましょう!

1日1合(アルコール20g)なら糖尿病のリスクは下がる

1日1合(アルコール20g)なら糖尿病のリスクは下がる

最初に結論を言ってしまうと、お酒の適量の量とされる1合(アルコール20g)の量なら糖尿病のリスクは下がるとされています(1, 2)。

アルコール20gの量の目安については、健康診断でも聞かれるように次の図の量です。

お酒の1合(アルコール20g)の目安 出典:SUNTORY DRINK SMART「適量ってどのくらい?」
お酒の1合(アルコール20g)の目安
出典:SUNTORY DRINK SMART「適量ってどのくらい?」

お酒と糖尿病の関係について、ある研究で1日のアルコールの摂取量が24g以下なら糖尿病の発症リスクは低下すると報告されています(3)。

アルコールの量が24g以下だと糖尿病のリスクが下がるメカニズムは、この量だと血糖値を下げるインスリンというホルモンの効き目(感受性)が改善するためです(5)。

インスリンの効き目がよくなると、血糖値や1〜2ヶ月の血糖値の推移を見れるHbA1cの検査値は下がります。

そのため、普段アルコールをよく飲む人は、

1日1合

を上限にアルコールを楽しむことがおすすめです!

みちのくDr.
みちのくDr.

普段アルコールを全く飲まない人が、健康や糖尿病の予防のためにアルコールを飲むほうがいいというわけではありません。

 

あくまで、普段アルコールをよく飲む人の目安だと思ってください!

 

もちろんアルコールにも注意点があり、注意点については後ほど説明するので最後まで読み進めてください。 

赤ワインはビール・ハイボール・ウイスキーなどより健康的な可能性が

赤ワインはビール・ハイボール・ウイスキーなどより健康的な可能性が

次に、アルコールの種類と糖尿病の発症のリスクについてです。

健康的にお酒を飲むなら、ダントツでおすすめなお酒は「赤ワイン」です。

お酒と2型糖尿病の発症リスクを研究した海外の研究では、次の3つのアルコールと糖尿病のリスクを検証しています(6)。

  • ワイン
  • ビール
  • ウイスキーなどの蒸留酒

この研究の結果として、ワインとビールのアルコールの量が20〜30g/日、蒸留酒なら7〜15g/日なら糖尿病の発症リスクは、

  • ワイン 20%減少
  • ビール 9%減少
  • ウイスキーなどの蒸留酒 5%減少

それぞれこのくらい減少すると報告されています。

飲むお酒の種類によって一緒に食べる食事の内容が変わることの影響もありますが、ワインはダントツで糖尿病の発症リスクを下げるとされています。

そのため、普段のお酒に赤ワインを1〜2杯、たまに他のお酒を楽しむのはどうでしょうか。

みちのくDr.
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ワインの中でも赤ワインは抗酸化作用のある「ポリフェノール」をこれでもかというくらい大量に含まれています。

 

ポリフェノールは糖尿病などの生活習慣病をはじめ、がんや認知症の予防の効果もあります。 

 

ポリフェノールについてもっと詳しく知りたい人は、ぜひ次の記事も合わせてチェックしてください。

アルコールの5つの注意点

アルコールの5つの注意点

これまで1日1合のアルコールが糖尿病の発症のリスクを下げたり健康にいいと説明してきましたが、最後にアルコールには注意点もあることを説明します。

具体的に、アルコールの注意点は次の5つです。

アルコールの5つの注意点
  1. カロリーが7kcal/gと高い
  2. ビタミンなどの栄養を消費
  3. 肝機能障害や肝硬変のリスク
  4. アルコールの依存性
  5. 糖尿病の人は低血糖のリスク

アルコールは上記の通り、カロリーが高くビタミンなどの栄養を代謝する時に消費してしまいます。

加えて、肝臓で代謝されるため、飲みすぎると肝機能障害や肝硬変のリスクがあります。

そして、何よりもアルコールは依存性があるのでストレスなどでアルコールに逃げないように注意も必要です!

また、糖尿病の人の場合、アルコールを代謝する時に血糖値がガクンと下がって高血糖よりも怖い低血糖が起きる可能性があるので、かかりつけ医に相談したうえでアルコールをたしなみましょう!

みちのくDr.
みちのくDr.

もう一度言います。、普段アルコールを全く飲まない人が健康や糖尿病の予防のためにアルコールを飲むほうがいいというわけではありません。

 

1日1合がおすすめなのは、あくまで普段アルコールをよく飲む人の目安だと思ってください!

 

アルコールは20歳以降の太る原因にもなるので、ダイエットや体重管理も意識したアルコールとの付き合い方については次の記事もぜひ参考にしてください。

まとめ

本記事では、

  • 1日1合(アルコール20g)なら糖尿病のリスクは下がる
  • 赤ワインはビール・ハイボール・ウイスキーなどより健康的な可能性が
  • アルコールの5つの注意点

この3つをもとにお酒が血糖値にどのように影響し、糖尿病のリスクになってしまうのか分かりやすく紹介しました。

次の図の1日1合(アルコール20g)なら糖尿病のリスクは下がるとされています。

アルコールの中でも、特に赤ワインさらにリスクを下げます。

ただし、アルコールには次の5つの注意点もあるので飲み過ぎには絶対に気をつけてください。

アルコールの5つの注意点
  1. カロリーが7kcal/gと高い
  2. ビタミンなどの栄養を消費
  3. 肝機能障害や肝硬変のリスク
  4. アルコールの依存性
  5. 糖尿病の人は低血糖のリスク

アルコールとも上手に付き合ってヘルシーに過ごしましょう!

みちのくDr.
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それでは今日も、良い筋トレライフを!

 

 

出典

(1)一般社団法人日本糖尿病学会「糖尿病診療ガイドライン2019」

(2)e-ヘルスネット「アルコールと糖尿病」

(3)Li XH, Yu FF, Zhou YH, He J. Association between alcohol consumption and the risk of incident type 2 diabetes: a systematic review and dose-response meta-analysis. Am J Clin Nutr. 2016 Mar;103(3):818-29.

(4)SUNTORY DRINK SMART「適量ってどのくらい?」

(5)Schrieks IC, Heil AL, Hendriks HF, Mukamal KJ, Beulens JW. The effect of alcohol consumption on insulin sensitivity and glycemic status: a systematic review and meta-analysis of intervention studies. Diabetes Care. 2015 Apr;38(4):723-32.

(6)Huang J, Wang X, Zhang Y. Specific types of alcoholic beverage consumption and risk of type 2 diabetes: A systematic review and meta-analysis. J Diabetes Investig. 2017 Jan;8(1):56-68.

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