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果糖は血糖値を上げないけど糖尿病のリスクは上げる⁉︎果物と糖尿病の関係

果糖は血糖値を上げないけど糖尿病のリスクを上げる⁉︎果物と糖尿病の関係

みちのくDr.
みちのくDr.

こんにちは。

みちのくDr.です!

本日は、果糖の血糖値や糖尿病への影響について紹介します。

果物をよく食べる人や果糖シロップを使った食品を摂取することが多い人の中には、

果糖は血糖値を上げて糖尿病の原因になる?

果物を食べると糖尿病のリスクが上がる?

と、果糖を摂取すると血糖値や糖尿病のリスクが高くなるのかどうか知りたい人もいるのではないでしょうか。

そこで、本記事では、果糖と血糖値や糖尿病との関係について説明します。

糖尿病を予防するためにブドウ糖を控えて果糖を摂取することが効果的かどうか知りたい人は、ぜひ本記事の内容を確認してみてください!

また、糖尿病を心配している人で果物とどのように付き合えばいいか悩んでいる人も、ぜひ本記事を参考にしてみてください。

みちのくDr.
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果糖とはフルクトースとも呼ばれる糖質の一つです。

 

果糖が多く含まれる食品は次の3つです。

  • 果物
  • ハチミツ
  • 調味料の砂糖(ショ糖)

 

果糖とブドウ糖の違いについて次の記事で詳しく説明しているので、果糖の特徴についてはじめに知りたい人は以下の記事を先にご覧ください。

果糖は直接的には血糖値を上げない

果糖は直接的には血糖値を上げない

実は、果糖は直接的には血糖値を上げません!

なぜ、果糖を摂取しても直接的には血糖値が上がらないかというと、血糖値は血液中の「ブドウ糖(グルコース)」の糖質の量を表す数値だからです。

しかし、果糖が吸収されると血液中の果糖(フルクトース)の数値は上がっています!

そのため、果糖を摂取しても見かけ上は血糖値は上がっていませんが、血液中の糖質全体の量は上がっています。

みちのくDr.
みちのくDr.

なんだかトンチのようで難しいですよね…

 

難しい人は、血糖値とは血液中のブドウ糖の量だけ見ている数値と思ってください!

 

なので、果糖は直接的には血糖値を上げません。しかし、逆に言えば果糖は間接的には血糖値を上げます!

 

では、間接的に血糖値を上げるとはどういうことなのか、次に説明します!

果糖はインスリン抵抗性が悪くなって糖尿病のリスクを上げる

果糖はインスリン抵抗性が悪くなって糖尿病のリスクを上げる

果糖を摂取しても直接的には血糖値を上げませんが、間接的には血糖値を上げます!

なぜ、果糖を摂取すると間接的に血糖値が上がるかというと、果糖の過剰摂取は血糖値を下げるホルモンのインスリンの効き目(インスリン抵抗性)を悪くするためです(1)!

また、果糖の過剰摂取は食欲を抑える満腹ホルモンのレプチンの効き目(レプチン抵抗性)も悪くして食べ過ぎの原因になる可能性もあるとわかっています(2, 3)。

まとめると、果糖を摂り過ぎると、

  • インスリンの効き目(インスリン抵抗性)が悪くなる
  • レプチンの効き目(レプチン抵抗性)が悪くなる

この2つが原因で血糖値が上がりやすく、メタボや肥満になりやすいため、糖尿病のリスクが上がるとされています(1)!

みちのくDr.
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糖尿病のリスクに加えて、果糖は中性脂肪やコレステロールを増やすため脂質異常症や脂肪肝のリスクも上げます4)。

 

脂質異常症や脂肪肝になると、ますますインスリン抵抗性が上がって血糖値が上がりやすくなったり糖尿病のリスクが高くなります!

 

血糖値や糖尿病に加えて、

  • 中性脂肪
  • コレステロール
  • 尿酸値

も気にしている人は、ぜひ次の記事も合わせて確認してみてください。

「果糖」は糖尿病のリスクを上げるけど「果物」は糖尿病のリスクを下げる!

果糖は糖尿病のリスクを上げるけど果物は糖尿病のリスクを下げる!

ここまで、「果糖」は血糖値を上げて糖尿病のリスクが高くなることを説明しましたが、適度な「果物」の摂取は糖尿病のリスクを上げません!

むしろ、適度な量のフルーツを食べると糖尿病のリスクが下がることがわかっています(5)!

実際に、9,665人のアメリカ人を対象にした研究では、果物の摂取量が適度で不足していない人は糖尿病のリスクが最大で46%低かったことが報告されています(5)。

また、すでに糖尿病の人の場合でも、適度に果物を摂取すると、

  • 血圧が下がる
  • 活性酸素が減る
  • 血糖値の調節機能が改善する

とわかっています(6)。

そのため、「果糖」は間接的に血糖値を上げて糖尿病のリスクを上げますが、適度な「果物」の摂取は糖尿病のリスクを下げるので、過不足なく果物を食べることがおすすめです。

みちのくDr.
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適度な果物の摂取量の目安は、次の通りです。

  • 健康な人 :合計200g
  • 糖尿病の人:合計100g

日本人はほぼ全ての年代で果物の摂取量が不足していて、毎日十分にくだものを食べている人は10人中1〜3人だけです!

 

果物の量の目安について次の記事で確認しつつ、果糖の多いジュースやおやつの変わりに果物を多めに摂取するようにしてみてください。

まとめ

まとめ

本記事では、果糖と血糖値や糖尿病との関係について説明しました。

果糖は直接的には血糖値を上げませんが、間接的に血糖値を上げて糖尿病のリスクが高くなります!

そのため、果糖シロップなどで甘みをつけた果糖の多い次のような食品の食べ過ぎ飲み過ぎにはお気をつけてください。

  • お菓子
  • 甘い清涼飲料水
  • ドライフルーツ
  • フルーツの缶詰

ただし、果糖が含まれる食品の中でも、適度な「果物」の摂取は糖尿病のリスクを下げます!

果物の摂取量が不足している人は、お菓子の量を減らして果物の摂取量を増やしてより健康的に甘いものとお付き合いしてみてください!

みちのくDr.
みちのくDr.

それでは今日も、良い筋トレライフを!

 

 

出典

(1)Baena M, Sangüesa G, Dávalos A, Latasa MJ, Sala-Vila A, Sánchez RM, Roglans N, Laguna JC, Alegret M. Fructose, but not glucose, impairs insulin signaling in the three major insulin-sensitive tissues. Sci Rep. 2016 May 19;6:26149.

(2)Page KA, Chan O, Arora J, Belfort-Deaguiar R, Dzuira J, Roehmholdt B, Cline GW, Naik S, Sinha R, Constable RT, Sherwin RS. Effects of fructose vs glucose on regional cerebral blood flow in brain regions involved with appetite and reward pathways. JAMA. 2013 Jan 2;309(1):63-70.

(3)Page KA, Chan O, Arora J, Belfort-Deaguiar R, Dzuira J, Roehmholdt B, Cline GW, Naik S, Sinha R, Constable RT, Sherwin RS. Effects of fructose vs glucose on regional cerebral blood flow in brain regions involved with appetite and reward pathways. JAMA. 2013 Jan 2;309(1):63-70.

(4)Stanhope KL, Schwarz JM, Keim NL, Griffen SC, Bremer AA, Graham JL, Hatcher B, Cox CL, Dyachenko A, Zhang W, McGahan JP, Seibert A, Krauss RM, Chiu S, Schaefer EJ, Ai M, Otokozawa S, Nakajima K, Nakano T, Beysen C, Hellerstein MK, Berglund L, Havel PJ. Consuming fructose-sweetened, not glucose-sweetened, beverages increases visceral adiposity and lipids and decreases insulin sensitivity in overweight/obese humans. J Clin Invest. 2009 May;119(5):1322-34.

(5)Ford ES, Mokdad AH. Fruit and vegetable consumption and diabetes mellitus incidence among U.S. adults. Prev Med. 2001 Jan;32(1):33-9.

(6)Hegde SV, Adhikari P, M N, D’Souza V. Effect of daily supplementation of fruits on oxidative stress indices and glycaemic status in type 2 diabetes mellitus. Complement Ther Clin Pract. 2013 May;19(2):97-100.

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