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アルコールが健康や体に悪いならなぜ国が禁酒法や禁酒令を出さないのか

アルコールが健康や体に悪いならなぜ国が禁酒法や禁酒令を出さないのか

みちのくDr.
みちのくDr.

こんにちは。

みちのくDr.です!

本日は、アルコールが健康や体に悪いならどうして国は法律で禁酒しようとしないのかについて紹介します。

お酒を飲むと健康被害や病気のリスクが上がるなら、

国が法律でお酒を規制すればいいのでは?

禁酒法を作ってお酒を飲めないようにするとみんな健康になる?

と考えたことがある人もいるのではないでしょうか。

実は、約100年前の1920年から1933年にアメリカで禁酒法が制定された過去があり、国が禁酒法を作っても簡単には禁酒できないことが歴史からわかっています。

そこで、本記事では、

  • なぜアメリカは禁酒法を制定したのか?
  • なせアメリカの禁酒法は失敗したのか?
  • アメリカの禁酒法の失敗から学ぶ禁酒する方法

この3つをもとに、国が禁酒の法律を作るとどう変化するのか、そして、歴史から学べることについてわかりやすく紹介します。

本記事を通して、国が禁酒法を作るとどうなるのか、なぜ禁酒法は続かないのかについて確認してみてください。

その上で、アメリカの禁酒法の失敗という黒歴史から禁酒するにはどうすればいいのか考えるきっかけにしてみてください。

みちのくDr.
みちのくDr.

本記事を読む前に、アルコールが健康に良いのか悪いのか結論がわからない人は以下の記事をご覧ください。

 

自分は昔、「たばこもお酒も体に悪いなら法律で禁止すればいいのでは?」と考えた時期がありました。

 

しかし、安易に禁止する法律を作れば良いという訳ではないことを歴史は証明しています。では、禁止するとどうなるか歴史を一緒に振り返って見ましょう!

禁酒法は過去にアメリカであった⁉︎禁酒法を制定した理由

禁酒法は過去にアメリカであった⁉︎禁酒法を制定した理由

アメリカ合衆国では1920年〜1933年までの間、禁酒法(Prohibition)という法律が施行されて、消費のためのお酒の製造・販売・輸送が禁止された歴史があります。

なぜ禁酒法が制定されたかというと、

禁酒法を制定した主な理由
  • アルコール依存症の問題
  • アルコールと性犯罪の関連性(可能性)
  • アルコールによる酩酊は宗教的に良くないという背景

主に上記のような理由で、アメリカ全体としてお酒を規制することに賛成する声が高まり、お酒を禁止する法律が作られています(1, 2)。

みちのくDr.
みちのくDr.

約100年前、アメリカでは性犯罪や宗教的な理由がメインで禁酒法が作られています。

 

当時はまだアルコールは「薬」として処方されていて、治療用ウイスキーというものがありました。

 

そのため、当時は健康に良いかどうかという点で禁酒法が作られたというわけでは必ずしもないです。

なぜアメリカの禁酒法は失敗してアルコールが合法・解禁になったか

なぜアメリカの禁酒法は失敗してアルコールが合法・解禁になったか

アメリカで禁酒法が制定された時、禁酒法は「高貴な実験(Tha Nobel Experiment)」と言われるほど賞賛を浴びることもありました(1, 2)。

しかし、最終的には禁酒法は失敗して1933年に禁酒法は撤廃されています。

禁酒法が失敗した理由としては、

禁酒法が撤廃された主な理由
  • 違法の酒場が急増
  • カナダ・メキシコ・キューバなどから不法輸入の増加
  • 違法酒場や不法輸入でギャング等の反社会的勢力の増大
  • 窃盗・殺人・売春・性被害の犯罪件数が禁酒法施行前よりも増加

上記のようなことが原因です。

このような原因が生じた根本の理由の一つは、お酒を飲みたいと思う人を強制的に自分の意志とは関係なく法律で禁止してしまったためです。

お酒の害や悪い側面について自分自身で認知して行動しないと、たとえ犯罪だとしても人はなんとかお酒を飲もうという欲を晴らすために行動することがアメリカの禁酒法の歴史から推測できます。

以上から、法律で強制的に飲酒を禁止する方法は、必ずしも後に良い結果を生むわけではないことがわかっています。

みちのくDr.
みちのくDr.

アメリカの禁酒法の失敗から、人は他者に強制されて何かをやめろと言われるとやめられない傾向があることがわかっています。

 

何かをやめさせたり行動させるためには、強制的に変えるのではなく、その人の物事の認知を変化させるようにすることがどうやら先決なようです。

 

一概に「禁止」とすると、反発が必ずあることを知っておくと良さそうです。

アメリカの禁酒法の失敗から学ぶ禁酒する方法

アメリカの禁酒法の失敗から学ぶ禁酒する方法

最後に、アメリカの禁酒法の失敗から学ぶ禁酒する方法についてへるし医の意見を述べます。

へるし医でも健康を気にするならお酒は飲まないことがおすすめしていますが、禁酒を強要することは正解ではないと判断しています。

アメリカの禁酒法の失敗から学べるように、強制的に物事を禁止すると人は反発して最終的に予想と反対の結果が生じる傾向があります。

そのため、禁酒を勧めるなら、

  • お酒と健康の関係
  • 実際のお酒の影響
  • お酒で体を壊した人の意見

などを具体的にわかりやすく丁寧に説明して、その人がお酒について考えるきっかけを提供することが大切なのではないかと結論づけています。

そのため、禁酒するならまずはお酒についてもっと知り、禁酒してもらうならお酒について諦めずに伝え続けることが最良の方法の一つです。

へるし医でも引き続きお酒を含めて「健康」に関する情報の提供を続けていきます。

みちのくDr.
みちのくDr.

偉そうなことを言ってしまいましたが、強制されるほどいやなことはないですよね。

 

18世紀後半に活躍したベンジャミン・ラッシュという医師も、お酒の健康への影響を訴え続けました。彼も、禁酒法よりも個人による節度を信じ続けた医者の一人です。

 

へるし医でも、人に何かを勧める時、強制するより考え直すきっかけをお伝えできるように継続して参ります。

まとめ

本記事では、

  • なぜアメリカは禁酒法を制定したのか?
  • なせアメリカの禁酒法は失敗したのか?
  • アメリカの禁酒法の失敗から学ぶ禁酒する方法

この3つをもとに、国が禁酒の法律を作るとどう変化するのか、そして、歴史から学べることについて紹介しました。

1920年〜1933年にアメリカは次の理由で禁酒法を制定した過去があります。

禁酒法を制定した主な理由
  • アルコール依存症の問題
  • アルコールと性犯罪の関連性(可能性)
  • アルコールによる酩酊は宗教的に良くないという背景

しかし、禁酒法は強制的に人からお酒を奪ってしまったがために、想定していた結果とは真逆の次のような結果が出たために撤廃された黒歴史があります。

禁酒法が撤廃された主な理由
  • 違法の酒場が急増
  • カナダ・メキシコ・キューバなどから不法輸入の増加
  • 違法酒場や不法輸入でギャング等の反社会的勢力の増大
  • 窃盗・殺人・売春・性被害の犯罪件数が以前よりも増加

アメリカの禁酒法の失敗からわかることは、法律などで無理やり強制しても必ずしも欲しい結果は得られないということです。

人の行動を変えるためには、適切な情報を伝え続けてその人が考えるきっかけを作ることが大切なのかもしれません。

へるし医でも、無理に辞めたり行動を変えるように説得するのではなく、読んで頂いた人の考えるきっかけになれるように情報発信を続けていきます!

みちのくDr.
みちのくDr.

それでは今日も、良い筋トレライフを!

 

 

出典

(1)常松洋「禁酒法とアメリカ社会」, 大阪産業大学教養部, 1987年

(2)Wikipedia「アメリカ合衆国における禁酒法」

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