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なぜ医師が経営コンサルの国家資格である中小企業診断士を受験したか

中小企業診断士とは?

この記事では「医師である自分が、なぜ中小企業診断士を取得したのか」について説明します。

中小企業診断士と聞いても「」となる方もいると思います。

まずは、簡単に説明します。

以下は、「中小企業診断士ってなに?」というJ-SMECAの抜粋です。

中小企業診断士は、中小企業の経営課題に対応するための診断・助言を行う専門家です。法律上の国家資格として、「中小企業支援法」第11条に基づき、経済産業大臣が登録します。

中小企業基本法では、中小企業者が経営資源を確保するための業務に従事する者(公的支援事業に限らず、民間で活躍する経営コンサルタント)として位置づけられています。

中小企業診断士ってなに? J-SMECA :
https://www.j-smeca.jp/contents/002_c_shindanshiseido/001_what_shindanshi.html

要するに、中小企業を主に対象とした、国家資格を持つ経営コンサルタンのことです。

中小企業診断士試験は、この中小企業診断士になるための国家試験で、得られる知識の内容に関してはMBA(経済学修士)と同等とされています。

試験としては、1次試験は全7科目でマークシート式、2次試験は全4科目の筆記試験と、筆記試験に合格した方のみ進める口述試験から構成されます。

令和2年度の申込者数は20,169名、1次試験合格者率は42.5 %、2次合格率は18.4 %、試験合格率は 7.82 %で最終的な合格者数は1,174名と難度の高い試験です。

なぜ中小企業診断士の資格を取得しようと思ったか

理由は大きく分けて4つあります。

  1. 医療界のワーク・ライフ・インテグレーション(WLI)を向上したい
  2. 医師ではない職業を経験したい
  3. 決意するため・けじめをつけるため

それぞれについて紹介します。

① 医療界のワーク・ライフ・インテグレーション(WLI)を向上したい

ワーク・ライフ・インテグレーション(WLI : Work Life Integration)とは、仕事と私生活に線引きを行うワーク・ライフ・バランス(WLB : Work Life Balance)から、線引きするのが難しければ融合しようという考え方です。

ワーク・ライフ・バランス(WLB:Work Life Balance)

仕事と私生活に線引きを引くのではなく、融合してしまう考え方

これはadidasが掲げ始め、欧米などで広まりつつある考え方です。

ご存知の方が多いかもしれませんが、医療業界では患者さんの急変などの緊急対応や夜勤、人手不足などさまざまな要因で仕事と生活のバランスをとることが容易ではありません。

特に「何があっても自分が患者さんを治さないといけない!」という強い使命感を持つ傾向の多い医療従事者では、自分のことや家庭をないがしろにしがちな傾向があります。

誤解を恐れずに言うと、在の医療はこのような医療従事者の犠牲のもとに成り立っています

現代の医療

医療従事者の犠牲のもとに成り立つ

医療従事者が「患者さんを助けたい、苦しんでいる人を一人でも多く救いたい」いう正義感をもって診療に従事し、心身ともに無理をして燃え尽きてしまう方やうつ病などの精神疾患を患う方は少なくありません。

みちのくドクター
みちのくドクター

悲しいことに、私の先輩・同僚・後輩にも燃え尽きてしまった医療従事者がいます。

もちろん、このような正義感はとても大切なものです。

しかし、一度燃え尽きてしまうと、医療従事者としての仕事にも影響が出てきて周りの方へ横柄の態度をとったり、患者さんへ悪態をついたりします。

最悪の場合には診断や治療に支障をきたし、患者さんに不利益を被りかねないこともあります。

この悪循環を改善するためには、

  • 医療に従事する方が仕事とプラベートをムリして分けないこと
  • 自身の生活に満足すること
  • 生きがいを持つこと

によって、働き方をよくすること、つまり、WLIが必要です。

医療従事者が自身と向き合って心体を健康に保つこと、これにより患者さんへの治療などのパフォーマンスも向上することができます。

そして、最終的には、

  • 医療の質の向上
  • 社会保障費の削減
  • 付加価値が他の業界と比較して低い医療の高付加価値化

を実現することができます。

医療従事者のWLIの向上

医療従事者のWLIが向上すると、結果として患者さんにとっても、社会にとってもいいことになる

ではそのために、

  • 労働の悪循環から脱却できるシステムを作るためには、どうしたいいか?
  • 自分の心と体をセルフチェックしやすくするためには、どうしたらいいか?
  • ホワイトと呼ばれる業界では、どういった工夫がなされているのか?
  • 医療業界の組織構造は、どうなっているのか?

などの疑問を自分は抱きました。

色々と調べ考えた結果、この疑問を解決し改善へと導く手段として、

  • 医療の仕組みの改善
  • 産業医として活動し健康経営の推進
  • 経営者・経営コンサルタントという立場で組織・病院の効率化

が挙げられます。

医療の仕組みの改善

医療の仕組みの改善は一朝一夕でも、私一人でもできることではありません。

こちらはより長期的な視点で見る必要があるため今回は省略します。

産業医として活動し、健康経営の推進

「産業医」については、2021年に登録を行い、現在産業医としても活動しています。

今後、医療界においても産業医として貢献できるように修行中です。

経営者・経営コンサルタントという立場で組織・病院の効率化

最後に、経営者・経営コンサルタントという視点についてです。

この点については、その職業を経験してしまうのが一番効率的なのではないかと判断しました。

経営者に関しては、医師として開業する手段と医療機関をサポートする企業を起業する選択肢がありました。

しかし、当時の自分にはどちらも明確なビジョンがなく非現実的でした。(現在、SUGAR, Inc.を創業し、代表取締役医師としても活動しています。)

そこで着目したのが、経営コンサルタントです。

MBAと中小企業診断士

しかし、まだ私が大学院生だったことも考慮して、まずは経験を得る前に知識だけでも得られないだろうかと考えたことが始まりです。

最初にたどりついたのはMBAです。

しかし、

  • すでに医学博士課程の大学院生だったこと
  • 最低でも約100万円の学費と2年間の在学期間
  • 学位として取得するならば世界で上位100位以内の大学院が好ましいとされていること

などを考慮すると、現実的ではありませんでした。

そんな中、

  • 社会人大学院生の私でも短期間で取得可能
  • 質が一定以上保証されている
  • 比較的安価に取得できる

上記を満たす資格として、最後に辿り着いたのが中小企業診断士だったのです。

② 医師ではない職業を経験したかった

私が初期研修医として働き、6ヶ月程過ぎた頃に、

  • 果たしてこのまま医師として働いていいのだろうか?
  • 医師は天職なのだろうか?

という一種のアイデンティティの崩壊(自分とは一体なにものなのだろう?)を経験しました。

もちろん、

患者さんの病を治して社会復帰していただく事、患者さんの困っている事の一助になる事は、やりがいがあり素晴らしい事です。

一方で、

  • 昔からこういう診療体制をしているからこうあるべき
  • 効率性やコストについては二の次
  • 昔ながら方法で大丈夫だから今も踏襲すべき

など、本当にそうなんだろうか?と生意気にも思うことがありました。

このような疑問が、3ヶ月に1回くらい自分の前を立ちはだかり、自問自答しても答えは出ず、失礼を承知の上でご指導して頂いた先生に質問をしたこともあります。

しかし、未だ満足いく結論には至っていません。

問題点

昔ながらの伝統的なお作法にしばられがち

結論を出す一つの方法が、他職種や他業界を自分の身をもって経験することだと判断しました。

行動しなければ、「あ〜、あの時こうしておけば」という”たられば”が、私の一生で何回も繰り返されていたでしょう。

今は、中小企業診断士としても活動し、後悔など一切なく他業界をみることができています。

③ 決意するため・けじめをつけるため

最後の理由は、決意けじめづけです。

医師としてこれまで働いてきた自分は、一般的な会社や社会で勤めた経験も知識もないため、医師というスキルを抜くと「ただの人」です。

今日では、医師で経営コンサルタントや起業家になる方は徐々に増えてきています。

それでも、一般的な医師のキャリアとしては例外です。

医師のキャリア

医師が、医療以外の道を歩むことはまだまだ例外的

そのため、「医療」とは異なる新しい分野へチャレンジするためには、本当にその覚悟が自分にはあるのか自分自身へ問う必要性がありました

その一つの手段として、中小企業診断士試験を活用しようと考えたのです。

未知の分野で、合格率 約4 %の難関の国家試験である中小企業診断士は、自分が越えなければならない壁としては申し分ない、と判断したことが最後の理由です。

これからしたいこと

日本の経済をよりよくするためには、中小企業をメインとした「健康経営」をさらに推進する必要があります。

どうしても、企業の健康を支える産業医の立場では、社員の健康面を重視し、企業の経営の効率や企業の理念や方針まで考慮することが難しいです。

反対に、経営コンサルタントの立場では、経営的な側面を重視して具体的な病気のリスクなども加味して健康面を考慮することは難しいです。

「健康」と「経営」の両方の側面を配慮してサポートできる人材は、今日では希少です。

  • 産業医:経営面まで考慮することが難しい
  • 経営コンサルタント:具体的な疾病まで考慮して健康面を考慮することが難しい
  • 「健康」と「経営」の両方を配慮できる人材は希少

また、地方には中小企業がたくさんありますが、サポートする産業医や経営コンサルタントは決して多くありません。

こうした地方都市部で奮闘される企業も含めて、

  • 医師として健康面
  • 中小企業診断士として経営面

に貢献し、日本の未来に少しでもプラスになれることをしていきたいと考えています。

さいごに

「なぜ医師が中小企業診断士を取得したか?」について、お読みいただきありがとうございました。

共感して頂いた皆さん、ありがとうございます。

まだまだ駆け出しの新米ですが、これからの日本の医療や健康経営が持続するために、少しでも貢献すべく努めます。

みちのくドクター
みちのくドクター

中小企業診断士試験については、「一発合格道場」というブログで12代目 Ma.satoとして試験対策の記事を記載しています。

受験を検討、または予定されている方は、以下のリンクも確認してください!

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