【読書シェア2冊目】世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?経営における「アート」と「サイエンス」

Ma.sato
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こんにちは。
みちのくドクターのMa.satoです。

今回は読書シェア2冊目冊。
山口周さんの世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?経営における「アート」と「サイエンス」です。

この本はこんな人におすすめ
     
  • VUCAの時代に美意識をつけたい人
  •    
  • アート思考・デザイン思考に興味のある人
  •    
  • MBA・中小企業診断士を取得した人・これから取得する人
読書シェアを読んで学べること
      
  • 世界のエリートが「美意識」を鍛える背景
  •    
  • 現代に求められる「真・善・美」
  •    
  • アート思考を養う具体的な方法

また、最後に美意識に基づくアート思考を鍛えるための本もご紹介します。

それでは、シェアしていきましょう。なぜエリートは「美意識」を鍛えるのか?

なぜ、世界のエリートは「美意識」を鍛えるのか?

著者の山口周さんは、この本は冒頭で忙しい読書のためにというタイトルで「なぜ、世界のエリートは『美意識』を鍛えるのか?」について疑問の提起を行っています。

その理由として、これまでのような「分析」「論理」「理性」に軸足をおいた経営、いわば「サイエンス重視の意思決定」では、今日のように複雑で不安定な世界においてビジネスの舵取りをすることはできないことを説明されています。

この理由としては、以下の3つをあげています。

  1. 論理的情報処理スキルの限界
  2. 自己実現欲求市場の登場
  3. システムの変化にルールが追いつかない世界

順を追って確認します。

論理的・理性的な情報処理スキルの限界とはどういうことか?

一つ目は、多くの人が分析的・論理的な情報処理のスキルを身につけた結果として、最後に到達する正解が同一なものとなり、最終的には差別化が消失してしまうという「差別化の限界」です。

今日、MBAや中小企業診断士のスキルなど思考を客観的に捉え言語化し、分析する方法論を身につけた人材が増加しています。

このような背景の中で、客観的に分析して既知の方法のみで指標化・効率化すると終着地点は自然と同じになり、差別化することができなくなってしまいます。

二つ目は、分析的・論理的な情報処理スキルの「方法論としての限界」です。

現代は、時の流れの速い現代はVUCA時代と指摘されています。VUCAとは現在の世界の状況を表す以下の4つの単語の頭文字を組み合わせたものです。

VUCA

V:Volatility 不安定
U:Uncertainty 不確実
C:Complex 複雑
A:Ambiguity 曖昧

米国陸軍が現在の世界情勢を表現するために用いた造語

経営の意思決定における合理性の重要さを最初に指摘した経営学者のイゴール・アンゾフは、同時に過度な分析思考・論理思考の危険性も指摘しています。

時の流れが速いVUCA時代では、客観的に評価しすぎることはこの流れに追いつくことができず、いつまでも合理性を追求し身動きができない状態になってしまいます。

そのために必要なことは、全体を直感的に捉える感性と、「真・善・美」が感じられる自身の構想力や想像力であると山口周さんは説いています。

真・善・美に関しては、後ほど補足します。

世界中の市場が「自己実現的消費」へと向かいつつある

ノーベル経済学賞を受賞したロバート・ウィリアム・フォーゲルは以下のように指摘しています。

「世界中に広がった豊かさは、全人口のほんの一握りの人たちのものであった『自己実現の追求』を、ほとんど全ての人に広げることを可能にした」

ロバート・ウィリアム・フォーゲル

このような世界の市場で戦うためには、精密なマーケティングスキルを用いて論理的に機能的優位性や価格競争力を形成する能力のみでは太刀打ちすることができません。

この問題に対応するために、現代では世界中のそれぞれの人の承認欲求や自己実現欲求を刺激するような感性や美意識を育むことが重要です。

エイブラハム・マズローの5段階の欲求理論の頂点を成す「自己実現欲求」、最終的には自分らしい生き方を実現したいという欲求は、今日の豊かさの時代では止めることのできない流れです。

この傾向はさらに加速し、止まることはないでしょう。

システムの変化にルールの制定が追いつかない状況が発生している

現在、社会におけるさまざまな領域で「法律の整備が追いつかない」という問題が発生しています。

この問題により、新しいものを想像したり創作する際にその当時の法律を根拠とし、あいまいな解釈やまだ制定されていない隙間をつき倫理的にはアウトとされてしまうことを行えてしまいます。

明文化された法律のみを拠り所にして判断を行う考え方、実定法主義は、明文化されていない法律の隙をつき、結果として倫理に踏み外すことになる恐れがあります。

現代のように新しいアイデア・デザインが溢れる世界では、このような明文化された法律に依拠する実定法主義によるモラルの維持は困難であると同時に非常に危険です。

そのためには、内在的に「真・善・美」を判断するための「美意識」によりモラルを保たなければならないと山口さんは指摘しています。

そして、モラルを保つためにそれぞれ個人の自分なりの「真・善・美」の感覚、つまり「美意識」を磨き、善悪を判断できるようになる素養を身につける必要性があります。

それではMBAや中小企業診断士のような体型的知識の習得は不要か?

ここまで読むと、MBAや中小企業診断士で得られるような経営を論理的に分析する手法を学ぶことは不要なのかという疑問が生じます。

結論から言うと、不要ではありません。むしろ必要です。

論理的思考・分析方法を身につけ、同時に「真・善・美」の主観的思考も取り入れることがアート思考・デザイン思考に繋がっています

本書の中では、経営を行う上での意思決定は3つの要素があると指摘されています。

  1. アート:なんとなく、ふわっと、これでいいのかなと思う直感の意思決定
  2. サイエンス:さまざまな情報を分析した結果に基づく意思決定
  3. クラフト:過去の失敗経験を踏まえた意思決定

これらの3つの意思決定の中で、「アート」がトップにあり、「サイエンス」と「クラフト」が左右にあり支える関係をなしています。

上記の関係から、直感的・主観的判断を行う「アート」を行うためには、論理的思考である「サイエンス」は土台として必要不可欠です。

アート思考を磨く方法

3つの意思決定の頂点を成す「アート」の意思決定力は一長一短で身に付くものではなく、他の意思決定のサイエンスとクラフトと同様に時代背景も時には考慮したうえで養う必要があります。

それではどうやってアート思考を磨くのか?

一つの答えは、絵画や美術・詩や絵、本に触れて、自分なりの考えと美意識を磨くことです。

具体的には、ただ見るだけではなく、自分はこれらの作品をどう思うか?なぜそのように思ったのか?他の見方はないのか?など主観に洞察することです。

例えば、一つの作品を「これは美しくない」と直感的に思ったとします。

次に、ではなぜ自分は「美しくない」と思ったのかを考える。

自分にとっての「美しい」とはなんのか?今見ている作品を「美しくない」とあなたに感じさせているものや違和感はなんなのか?

そもそも、自分の「美しい」と他の人の「美しい」というフレームや尺度は同じなのか?

このように根底へと考え、再度作品に戻り作品自体を見つめ直しあなたの感性はブラッシュアップされます。

なお、この方法はデザイン思考を行う一つの手法です。

このような洞察を行うことで、主観的な内部のモノサシである、直感による「真」、倫理や道徳による「善」、審美感性による「美」を少しずつ身につけることができます

VUCA時代の背景の把握とアート思考を鍛えるおすすめの本

今回読書シェアでご紹介した山口周さんの「世界のエリートはなぜ『美意識』を鍛えるのか?経営における『アート』と『サイエンス』」はVUCA時代を生き抜く上でことが必要になった背景・この時代を生き抜くデザイン思考・アート思考について紹介する本です。

この本には関連する本があり、以下の順に読むとさらにアート思考の考えを深め、実際に実践することができるようになります。

これまでの論理的な思考による限界の説明から、直感を高める必要性と読者の今後目標を見据えるために具体的にどのような行動をとるべきかを簡潔に説明されています。

アートやデザインと言われても、芸術や美術に距離を置いている人は少なく、抵抗感を抱く人は少なくないと思います。

上記の2冊はそんな抵抗感やアートに対する固定概念を覆してくれ、いかにアートと触れ合うことが楽しいかを教えてくれます。

藤田令伊さんの「現代アート超入門!」が原作で、末永幸歩さんの「13歳からのアート思考」はVUCA時代の現代を意識してリメイクされた本です。

そして、今回ご紹介したこの一冊がSTEP1, STEP2で学んだ内容と手法をさらに高める一冊という位置付けになっていると私は思います。

VUCA時代を生き抜く上で、アート思考を身につけたい方はぜひこれらの本を手にとってみてはいかがでしょうか。

さいごに

現代のVUCA時代においてエリートには「真・善・美」に基づいた素早い判断を求められます

そのためには、アート思考が不可欠なワンピースを担います

論理的に解釈できるとともに、直感的に主観的判断もできる素養を身につけ、システムへ適応し最適化しつつも、システムそのものへの懐疑心は失わない。

その上で、自己実現するためにシステムへの発言力や影響力も獲得し、私たちが理想とする社会の実現に向けて変革することができます。

この本はこのような流れを多くの著名人の比喩を引用し、徹底的に解説してくれる一冊です。

これからアート思考に触れる方も、すでにデザイン思考に触れている方にも他の本と比較してとてもわかりやすい内容です。

まだ読んでない方は、読むことを強くオススメします。

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